どの業界でも正社員と非常勤の間には待遇面で大きな差があるのが現状です。同じ仕事をしているのにも関わらずなんで?と思っている方も多いと思います。
同一労働同一賃金なんて言われていますが、非常勤の待遇が改善されたという職場はまだまだ少数で、以前として格差が大きいの実情です。
正社員と非常勤の格差があるのは保育士業界でも同じで、給与や福利厚生の面で差があり不満を感じている方も多いです。
今回は関東の保育園で非常勤としてフルタイムで働いている30代女性にアンケートに協力して頂きました。
非常勤として働くからには覚悟しなくてはいけない給与や福利厚生での格差について教えていただきましたので参考にしていただければと思います。
非常勤のフルタイムで働いていて感じる不満は2つ
関東の認可保育所で非常勤としてフルタイムで働いています。在籍150名程度の規模の園で2年程度働いています。
以前は正規職員として働いていましたが、子育てや介護等の両立が難しくなったので、日勤のみで日曜祝日が休みである今の職場で働き始めました。非常勤なので残業も少なく働けています。
ただ、不満な点は数多くあります。その中でも特に不満なのは給与と有給休暇の2点です。
給料は低く昇給もほとんどない
基本の業務内容はほとんど正職員と変わらない仕事の内容をしています会議への参加、研修参加、行事参加もあります。
ですが、手当やボーナスなどは本当にわずかでしかいただけません。昇給もないに等しいです。年に数百円という昇給です。
保育園という側面から考えると、保護者から職員をみた場合、この職員が正職員なのか非常勤なのか派遣なのかなどの雇用形態はわかりません。
そのため、雇用形態がどうであれ正職員と同じように対応することが求められます。そうであるならば非常勤であってもしっかり手当やボーナス、昇給等に反映してほしいものです。
正規と非常勤で福利厚生の差が激しい
正職員は色々な福利厚生も利用できるのでやはり優遇されていると思います。有給休暇についても年次でもらえますが、正職員は入職してすぐに付与されます。
それに対し、非常勤は半年後に付与されます。時間休といって、1時間単位で有給休暇を取得できるのも正職員のみです。非常勤は半日休んでも1日の有給休暇を消化する形となります。
例えば、自分の体調不良や子どもの体調不良で早退や遅刻をした場合、正職員はその時間分だけ有給で調整します。
ですが、非常勤は2時間早退した場合、有給休暇1日で処理するか、早退した分の減給となります。
早退や遅刻とすると少ないボーナス等にも影響が出るので、みんな有給休暇で処理するようにしていますが、何時間分も捨ててしまうようになるので正直言って不公平だと思います。
非常勤で働いていると「非常勤のくせにと言われる」
非常勤として働いていて辛いと思うことは、何かにつけて非常勤だからと言われることです。
正職員と同じ業務内容をほとんどしているにもかかわらず、業務の内容や改善案の意見を言ったり、職員会議などで発言した場合、議題によっては非常勤のくせにという風潮があります。
非常勤でもいろんなところで経験されている方もいるので、気づいたことや意見はきちんと雇用形態に関わらず吸い上げてほしいと思います。そうであるならば、会議への参加を義務付けなければよいのにと思います。
そして、雑務や製作は非常勤の仕事みたいに割り当てます。正職員は行事計画などで忙しいので、あとこれよろしくみたいなことが多々あります。
保育園からの慰労金の差が激しかった
最近で一番悲しかったのは、コロナ禍で法人から職員に慰労金が出ることになったときのエピソードです。
慰労金をいただけることは非常にうれしかったのですが、この慰労金の割り当てについて、正職員の方は7万円、非常勤は1万円でした。
緊急事態宣言中も園児は登園していて預かっていましたので、正職員と同じように非常勤も勤務していました。
感染することも怖かったですし、コロナ対策でマスクを準備したりと感染予防のための用品を購入するのも自腹です。
勤務時間も残業を除くと正規の部分はほとんど正職員と大差なく勤務していました。それなのに、慰労金という評価では大きな差が出ました。
非常勤というのは都合よく使える職員なのかと辛くなりました。コロナ禍において実費負担が増えている現状を法人としてもしっかり理解して欲しいです。
非常勤と正職員の差がありすぎてモチベーションが下がる
非常勤であるというだけで、十分な福利厚生が受けられなかったり、給与や有給休暇の面で正職員と差があったりすると正直言って仕事に対するモチベーションは下がります。
下手すると派遣会社から派遣されて働いている人の方が業務に対する責務も少ないし、高い時給で働けていて月収としては非常勤より良い場合もあります。
まじめに働いている分はやはり給与でしっかりいただきたいと思いますので、手当やボーナスで差が出てくると非常勤で働くメリットでそんなにないのかもしれないと思いました。
保育園はやはり全体的に給与が安いので、正職員、非常勤に限らず働き続けるのは難しいのだと思います。
安い分、正職員に手当を持っていくことで人材確保している印象があるので、非常勤はほったらかしです。
また、下手に経験年数があると基本給が高くなるので敬遠されてしまうことがあります。若手の正職員の人材をすごく集めているのもそういうことなのかもしれません。
そうであるとするならば、日勤で働くことができる工場などに転職をしないと今後の収入面を考えるといたしかたないのかもせれません。
子供がかわいいだけではやっていけないと思います。せめて有給休暇についても、家庭の事情などはみな等しくあるのだから、正職員と同様に扱っていただけるといいと思います。
非常勤なのに休みの融通が効かないというのもむしろデメリットに感じます。有給休暇についても理解してくれるところに転職したいです。
保育園に非常勤として働くなら下調べが必須
保育園は運営する法人や株式により給与形態や雇用が色々と違うということは知っておいた方がいいです。入職する際にそこはきちんと確認したほうがよいです。
非常勤で働くにはそれなりの家庭の事情があったりします。非常勤のメリットをしっかり押さえているかどうかが大事で、正職員と何ら変わらない業務内容をしなければならないのであれば、それなりの手当などがつくことを聞いた方がいいと思います。
入職してからでは辞めるにもすぐには辞められませんし。また、実際の有給休暇の取得実績や非常勤から正職員になった方がいるのかなども重要です。
非常勤から正職員になった方が多い場合は、そういうルートがあるというのも今後しっかり働きたいと思った時にいいと思いますし、非常勤から正職員になりたいと思うような職場であれば比較的よい職場で、給与や保障なども優遇されている保育園なのだと思います。
なかには職員は頭数だけいればよいと認識されているブラックな保育園も多々ありますので、下調べは大切です。
コメント